離婚して住んだ最初の家は文化住宅だった
離婚して最初に住んだ家は文化住宅でした。
正確には、父が大阪でお仕事する時用に借りていたマンションに一旦少し住まわせてもらってから、自分の部屋を借りました。
保育所や父が借りているマンションからあまり離れていない所、いつか市営住宅に当選して入れたらと思って市営住宅と同じ校区内、この条件で探しました。
1ヵ月5万円の家賃で1DK。40㎡満たない広さでした。
5万円の家賃でも私にはぎりぎり払えるかな~というお値段。
色々探しましたが広さと、リフォームした直後で室内がきれいだったこと、後から付け足したというお風呂がユニットバスではなかったことでそこを選びました。
すごく古かったけれど、
こういう選択肢もありかも
と少し面白く思って・・・。
私は生まれてから9回引っ越しているんすが、(18歳で大阪に引っ越してから8軒の家に住みました)一番インパクトがあったお家なので思い出を書き留めておきます。
文化住宅って?
調べてみると文化住宅って近畿地方特有の呼び名なんですね。
知らなかったです。
高度成長期に建てられた長屋、って言えば良いのでしょうか。
とにかく古いです。
トイレと台所はそれぞれの家にあって、お風呂は無い。
私が借りたお部屋はリフォームしていたのでお風呂もありましたし、トイレはウォシュレット機能が備わっていました。
真の文化住宅には無いようです。
二階に住む人の玄関も一階にあり、玄関からすぐ階段を上がって自分のお部屋へ行きます。
私は1回に住んでいました。
参考記事にはもう一種類の文化住宅が載っていますが、私が住んでいたのは「となりのトトロ」のサツキとメイが住んでいた方じゃない文化住宅ですw
サツキとメイのお家なら喜んで住みたい。
私が文化住宅に住んで感じた事
住まいにはそれぞれ長所と短所がありまして・・・。
これは私の個人的なケースについての感想ですが、文化住宅に住んでみて思った事をまとめてみました。
多分、良いところ。
- 人の気配を感じられて淋しくない
- 水道料金の請求が1階2階まとめてなので基本料金が半額になる(私の場合は違ったけど本当はそうなるはずだった。)
- 玄関が広かった(無理やりだけど自転車が置けた)
- 家の玄関を出たらすぐ道路(朝の慌ただしい時エレベーターを待つ事がなく有り難かった。)
- ご近所さんとの交流があった(娘を可愛がってくれたので有り難かった)
良くなかった所
- 家が揺れた(古い建物だったので大きい車が通ると家がちょっと揺れてたんですよw)
- 上の階の物音がよく聞こえる
- プライバシーがマンションと比べ守られにくい
- 寒く、湿度が高い(一階に住んでいたので。日当たりが悪かったんです。)
- Gが出た(これが住んでいた文化住宅を引っ越そうと決めた一番の理由でした。)
引っ越し当日の衝撃
引っ越しは荷物が少なかったので、業者に頼みませんでした。
冷蔵庫等必要な物を買ったのでその日、その文化住宅へ行って電化製品等届くのを待っていました。
家の中で荷物が届くのを待っていると、
ピンポーン
と玄関のチャイムが鳴ります。
荷物が届いたのかなと玄関を開けると作業着の高齢の決して爽やかな感じのしないおじいさんが立っていました。
「荷物が届いとったぞ」
「え・・・?」
段ボールを持っています。
「え・・・?」
「ほら。ちょうど業者が来たからもらっといてやった。」
「え?」
どうもおじいさんは私宛の荷物を業者に「ここに住んでるから」と言い勝手に預かったようです。
え~!?
何で勝手に預かったの??
私達今が初対面なのに!!
知らない者同士でしょ!?
おじいさんは私の戸惑いも気にせず荷物を差し出し、「今日から住むのか?」「誰と住むんや?」「家賃はなんぼ払ったんや?」等色んな事を聞いてきます。
私も質問に答えなくていいのに何だか衝撃のあまりおじいさんの成すがまま、聞かれたことに答えてしまいます。
色々聞かれましたが、家賃についてはおじいさんの方が安かったらしく満足して帰っていきました。
この日から頭の上にはこのおじいさんが住んでいると意識する生活が始まりましたw
うがいの音も聞こえちゃう。淋しさを感じることはないわな。
当たり前ですが文化住宅はとても古いです。
正確な築年数は忘れてしまいましたが築50年近く経っていたと思います。
木造です。
室内はリフォームされており押入れではなくクローゼットがあり、お風呂もピカピカでした。
それでも上の階の物音がよく聞こえます。
テレビの音からうがいの音までw
おじいさんは一日テレビを見て過ごしているようです。
夜は出歩きません。
たまに銭湯に行っているようです。
勝手に荷物を預かっていた件以降、おじいさんとは会っていませんがおじいさんの生活スタイルがわかってきました。
上の物音がとっても良く聞こえるんだものw
耳が遠いのでテレビの音も大きいのでしょうね。
文化住宅は淋しがり屋さんが一人で暮らすのにピッタリですw
おじいさんの生活音がこれだけ我が家に聞こえているのですから、我が家の生活音も当然おじいさんに聞こえていると考えるのが当たり前です。
保育園の娘が住んでいる我が家の物音は当然おじいさん家より大きな物音がしているはずです。
しかし一度も音についての苦情はありませんでした。
耳が聞こえにくいからかもしれませんが、住んでいる間、音について以外でも一度も何も苦情を言われた事はありませんでした。
そこが2階のおじいさんの良いところです。
困っちゃうけどありがたい。
水道代はおじいさんと折半
引っ越しして2週間が過ぎ、何となく落ち着いてきました。
しかし一つ気になっていたことがありました。
引っ越しの際、大家さんが言っていた水道代についてです。
この家の水道料金は建物全体を一括して検針し、2件分の水道料金がまとめて請求されているということでした。
以前までは1階2階の住民が自分たちで計算して支払っていたので大家さんは関与していなかった、とのことです。
今回もそうして欲しいので2階の住民と話し合って欲しい。
それが嫌なら大家さんが間に入って料金の調整をする、ということでした。
そんなことは初めての経験だったので、その時は大家さんの言う通り、まず2階の人と相談した方がいいのかなと思ったのですが、何となく避けていてw
そろそろ話し合わなきゃいけないと思っていました。
そうするとある時知らない電話番号から着信が・・・
出ると、
「わしや」
「は?」
年季の入った男の人の声です。
「ワシや。2階の○○や」
え??
「何で私の電話番号知ってるんですか!?」
驚きです。
2階のおじいさんが電話をかけてきました。
電話番号教えてないのに!
「前に荷物預かったやろ。電話番号書いとったから控えとったんや」
勝手に控えるな~!!!
ダメでしょ、それは~w
おじさんは「今から行く」と言い、電話を切り1分後に玄関のチャイムを鳴らしてきました。
おじいさんの要件は水道代についてでした。
・水道代は今までも以前住んでいた一階の住民と折半していたので、今後もそうしたい。
・おじいさんのポストに水道代の検針票(?)が届いたらそれを持っておじいさんが私の家に尋ねてくる。
・二人でお金の計算をし、おじいさんが支払う。
と言うのがおじいさんの希望でした。
とりあえずそれに従おうと思い、まずはおじいさんの言う通りすることにしました。
おじいさんが検針票を私に見せます。
「わしは下に誰も住んでなかった時だいたい1500円払ってた。
そやからこの合計から1500円引いたんがお前のとこの水道代や。
合計から1500円引いた額をあんたが払ったらいい」
何だかざっくりした計算です。
今となっては1500円と言ったか1600円と言ったか、正確な金額はうろ覚えですが仮にここでは1500円と言ったことにして話を進めましょう。
けれどおじいさんの1500円には基本料金が含まれています。
それは折半しなくていいのか尋ねると
「ええからこんだけ払ったらええんや」
と言いいます。
もうおじいさんに従いましたw
不安だったので念のためおじいさんが持ってきた検診表を預かり支払った金額を記載し、おじいさんのサインを頂きました。
そうして検針票を預かりました。
おじいさんには支払った金額と私の印鑑を押した紙を渡しました。
それ以降、おじいさんが毎月私の家に水道代を請求に来ました。
印鑑も持って来てくれるようになりました。
時々支払金額の端数をおまけしてくれます。
お釣りが渡せるよう小銭も用意してくれていました。
引っ越すまでの数年間、おじいさんとトラブルは一度も起きませんでした。
文化住宅と、このおじいさんについてまだ書き記したいことがあります。
思ったより長くなってしまいました。
次回にします。
水道料金に関することについては2011年当時の大阪市内のものですので現在と形態が変わっているかもしれません。
大阪市内の現在の水道料金等については大阪市水道局にご確認ください。
コメント