祖父が認知症だったが一体いつからなのか誰もわからなかった話

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祖父は認知症を患っていた。でもいつから?

98歳まで生きた祖父は認知症でしたが、いつから認知症を患っていたのか親戚中誰にもわかりませんでした。

私が30過ぎた頃亡くなったんですが、今思い出せば私が小学生の時、みんなで出かけた際も祖父一人迷子になっていました。

もしかしたらその時から認知症を患っていたのかもしれません。

そうなるとかなり長い間、ということになります。

祖父は迷子センター的な所に預けられていて、みんなで迎えに行きましたがケロッとした様子でした。

もともと風変わりな人だったので、いつから認知症を発症したのかがわかりにくいんです。

自由で気ままで自分勝手で、毎日の暮らしを楽しんでいるような人でした。

子供ながらに

「面白い人だな~」

と思っていました。

いつから認知症だったのか記憶を遡ってみると気になるエピソードをいくつが思い出しました。

その中の2つを記録しておきます。

祖父の思い出その1・認知症の疑いを誰も持っていなかったが・・・

私が中学生の頃、学校から帰ると同じ町内に住む祖父が家に遊びに来ていました。

「あ!おじいちゃん!来てたん?」

「おー!」

ソファに座る祖父の隣に座りしばらく祖父と話していました。

しばらく話していると祖父が私に向って唐突に

「で、お前は○○か?(弟の名前)」

と私に聞きました。

え!??

「いや・・・私、アイイロだけど(私の名前)・・・」

「ああ、そーか」

祖父は何でも何でもなかったかのようにまた喋り始めました。

いや、私女だし。

何で弟(もちろん男)と間違えるの??

仮に兄弟で顔が似てたとしても隣に座ってるし区別付くでしょ??

しかも普通に喋ってたし、どう聞いても女の声だったでしょ??

しかも私制服着たままだよ?

セーラー服だよ!

スカート履いてるんだってw

母もびっくりしていましたが、祖父は全く気にしていません。

「やっぱりうちのおじいちゃんは変わってる・・・」

今思えばもしかしたらあの時すでに認知症の兆候があったのかもしれません。

ただ

「おじいちゃんは変わっているから」

と受入れられていました。

祖父の思い出その2・認知症?入院時の出来事

元気だった祖父が癌で入院した時の話です。

祖父は

「長生きしたい」

と、70歳過ぎて禁煙しました。

入院したのは90歳過ぎてです。

入院中も勝手気ままだったので、祖母も身内のみんなもくたびれていました。

ある日とうとう父が祖父にキレて怒鳴りました。

「いい加減にしろ!!お前は癌や!もうすぐ死ぬんや!」

みんなびっくりです。

告知していなかったんです。

ああ!とんでもない事を言った!とみんなが思いました。

ところが祖父は

「何言うとるんや。そんな訳ないやろ。癌だったらとっくに死んでる。」

とケロっとしていました。

みんなが祖父には敵わないと思った瞬間でした。

祖父はその後無事退院し、それから数年間は近所を歩いて時々迷子になったり、たまに人の畑の作物を取ってきたりもしていましたが元気で楽しく過ごしていました。

祖父は無敵でした。

私はそういう祖父が好きでした。

「あのおじいちゃんだからしょうがない」

と何となくみんな納得していました。

認知症であっても・・・

祖父は最後寝たきりになった数か月を除けば、いつも好きな事をしていて楽しそうでした。

時々迷子になっても地域の人の理解があったお陰で、今まで通りの生活を楽しめたんだと思います。

結局身内は

「いつからボケてたんやろう・・・」

と今も謎を抱えたままです。(「ボケる」という表現は適切ではないと思いますが、当時身内が使っていた言葉をそのまま使用させて下さい)

ただ、

「最後まで好きな事をしてて、良かったんじゃないか。」

と言うのがみんなの亡くなった祖父への感想です。

みんなが98歳まで好きな事をして生きた祖父の死に納得していました。

介護施設に入所する入所者さんで家族に迷惑を掛けるから、と本当の気持ちを言わない人がいます。

本当は家に帰りたいのに

「施設でお世話になる」

と言います。

なんとなく認知症であっても無くてもみんなが自分に素直に生きれたらいいなと思った、勝手気ままなブログでした。

おしまい。

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